日東河川工業株式会社

製品情報

河川設備 - SR起伏堰

SR起伏堰

鋼製の扉体を有し、ゴム引布製袋体に空気を送り込んだり、排出したりすることで扉体を起立、倒伏させる形式で、1径間を複数の単位ゲートに分割し、隣接する単位ゲートを中間水密ゴムで接続する構造です。ラバーゲートと比べては、倒伏過程でVノッチ現象が発生しないため、中間開度操作が可能となり、倒伏時は袋体が扉体で保護されるので損傷しにくい構造です。

1. 特徴

起伏媒体が同じ空気であるゴム引布製起伏堰とは異なりVノッチ現象による貯水高の制御不能状態は起こらず、袋体への給排気量の制御にて堰高を調節することができます。従って、鋼製起伏堰と同様に水位調整操作が可能となります。
ただし、油圧式鋼製起伏堰と同等の制御精度を得ることはできません。駆動媒体の空気は作動油と異なり圧縮性があるため、水位変化によって扉体の受圧荷重が変動すれば袋体内圧も変わり、それに追随してゲート起立角(堰高)も変化します。そのため、堰高を精度良く一定に保つ制御は困難となり制御水位の変動は油圧式鋼製起伏堰に比べて大きくなります。

SR起伏堰

2. 各部の構造

  • 扉体(ブロックは鋼製扉体1基とゴム袋体1基にて構成します。)ブロックの寸法は3.0mから6.0mとし、全て同一寸法になるよう全スパンを均等に分割します。各扉体ブロックは水密の確保及び、ブロック間のずれの吸収と適度な拘束を得るためゴム板で結合します。
  • 駆動媒体は空気とします。空気をコンプレッサーにて0.1~0.40MPa程度に圧縮し袋体に給気します。圧力がゴム引布製起伏堰に比べ大きいため配管径は20A~50A程度と小さくなります。
  • 自動倒伏装置は河川水位をフロー管に導き、フロートによりバルブを解放して排気する方式とします。(従来から鋼製起伏堰やゴム引布製起伏堰に採用されている方式と同じです。)